タスクに追われる日々で、自分の「好き」を見失ったと感じたら
多忙な日々の中で、ふと立ち止まる時
仕事に家事に育児にと、毎日がめまぐるしく過ぎていく中で、ふと立ち止まり「自分が何が好きだったか思い出せない」「何に興味があるか分からなくなってしまった」と感じることはありませんでしょうか。目の前のタスクをこなすことに精一杯で、自分の心を満たすことや、新しい世界に触れる余裕がなくなっているのかもしれません。
かつては夢中になった趣味があったり、関心のある分野があったりしても、今はそれを思い出すことすら難しく感じる。これは、多忙な子育て中の親御さんが抱えやすい「あるある」な感覚かもしれません。自分よりも家族を優先し、自分の時間や気持ちを後回しにしてしまう日々が続くと、自分の内側にある「好き」の気持ちが見えにくくなってしまうことがあります。
しかし、「好き」や「興味」といった自分の心を満たす要素は、日々のしんどさを乗り越えるための小さな原動力になることもあります。すべてをタスクとしてこなす毎日から、少しだけ解放されるためのヒントをいくつかご紹介します。
頑張って「好き」を探さなくても大丈夫
まず大切なのは、「好き」を見つけようと力みすぎたり、自分にプレッタリシャーをかけすぎたりしないことです。今は「好き」を探す余裕がない、と感じているのであれば、まずはその状況を受け入れても良いのです。自分を責める必要は全くありません。
多忙な中で「好き」が見えなくなってしまうのは自然なことです。もしかすると、新しい「好き」を探すよりも、まずは心と体を休ませることの方が優先かもしれません。自分を労わる時間を意識することから始めてみましょう。
小さなヒントから「好き」の種まきを
もし少しでも心の余裕があるなら、過去や日常の中に「好き」の種を見つけるヒントが隠されているかもしれません。
- 過去を振り返る: 学生時代や独身時代、どんなことに興味がありましたか。どんな時間が楽しかったですか。昔のアルバムを見返したり、親しい友人と当時の話をしてみたりすることで、忘れていた「好き」を思い出すきっかけになることがあります。
- 日常に意識を向ける: 通勤途中に気になるお店はありませんか。ふと手にした雑誌や、SNSで見かけた投稿に心が動くことはありませんか。日常の中の小さな「いいな」という感覚を見逃さないように意識してみることも大切です。
- スキマ時間で「種まき」: 寝る前の数分、移動時間、休憩時間など、ほんの短い時間でもできることはあります。興味のある分野のネットニュースの見出しをチェックする、気になるテーマのポッドキャストを聴いてみる、図書館の新しい本を眺めるなど、新しい情報に触れる小さな習慣を持ってみるのも良いでしょう。
- 子供と一緒に探す: 子供の好きなものや、興味を持っていることに一緒に触れてみるのも面白いかもしれません。子供と一緒にアニメを見る、図鑑を眺める、公園で虫を探すなど、意外な発見があるかもしれません。
「新しい好き」へのハードルを下げる
何か新しいことを始めてみようと思った時、大きな一歩である必要はありません。まずはハードルをぐっと下げてみましょう。
- 本格的な習い事ではなく、単発の体験講座やワークショップに参加してみる。
- たくさんの本を読む時間がないなら、気になった本の最初の数ページだけ読んでみる。
- 実際に場所に出向くのが難しければ、オンラインでのイベントやセミナーに参加してみる。
大切なのは、「完璧にやらなければ」と思わないことです。まずは触れてみる、試してみる、という軽い気持ちで十分です。もし合わなくても、それはそれで一つの経験になります。
「好き」が見つからなくても、今の自分を大切に
もしこれらのヒントを試しても、「やっぱりピンとこない」「これといった『好き』は見つからない」と感じたとしても、それは決して悪いことではありません。多忙な時期は、自分を維持すること自体が素晴らしい頑張りです。
今は、「好き」を探すことよりも、心穏やかに過ごすこと、自分を休ませることを優先してください。何も考えずにぼーっとする時間、美味しい飲み物をゆっくりと味わう時間など、意識的に「何もしない時間」を作ることも、自分を大切にすることに繋がります。
多忙な日々の中でも、少しだけ自分の内側に耳を澄ませてみる。それは、自己肯定感を高め、自分らしさを取り戻すための大切なプロセスです。もし「好き」が見つからなくても、今のあなたが頑張っていること、日々を乗り越えていることを、どうぞ認めてあげてください。一人で抱え込まず、ホッと一息つける場所で、その気持ちを共有してみるのも良いかもしれません。