リモートワークと子育て いつも仕事モードになってしまう 心をオフにするヒント
リモートワークと子育て、いつの間にか仕事モードになっていませんか
リモートワークが日常となった今、自宅は働く場所であり、子育てをする場所でもあります。通勤時間がなくなり、家事や育児の合間に仕事をしたり、仕事の合間に子供の世話をしたりと、時間の融通が利くようになったと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかしその一方で、仕事と育児、そして自分自身の時間の境界線が曖昧になり、「いつ休憩していいのか分からない」「常に頭の中で仕事や家事のことを考えている」という状況に陥りやすいという声もよく聞かれます。オンとオフの切り替えが難しく、気づけば一日中仕事モードのような状態が続いてしまい、心身ともに疲弊してしまうこともあるのではないでしょうか。
境界線が曖昧になるのは自然なこと
これは、あなたが特別なわけではありません。物理的な場所が同じであること、仕事のタスクと家庭のタスクが次々に目の前に現れることなど、リモートワークという働き方の構造そのものが、境界線を曖昧にしやすい側面を持っています。子供が急に体調を崩したり、パートナーの帰りが遅くなったりと、予期せぬ出来事が起こりやすい子育て中であれば、なおさら仕事モードから完全にオフになるのは難しいと感じるかもしれません。
大切なのは、この状況を「自分の頑張りが足りないからだ」と一人で抱え込んだり、自分を責めたりしないことです。これは多くのリモートワーク中の親が直面している課題であり、この状況の中でいかに自分自身を労わり、心の休息時間を作るかを意識することが重要になります。
心をオフにするための小さなヒント
では、どうすれば仕事と育児の境界線が曖昧な環境の中でも、意識的に心をオフにする時間を作ることができるのでしょうか。すぐにすべてを完璧に実践することは難しくても、まずは一つ、小さなことから試してみてはいかがでしょうか。
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物理的な「区切り」を作る 仕事専用のスペースが確保できなくても、作業するテーブルを決める、仕事が終わったらPCを閉じて視界に入らないようにする、といった小さな行動で、仕事時間とそれ以外の時間の物理的な区切りを作ることができます。視覚情報が変わるだけでも、脳はモードを切り替えやすくなると言われています。
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時間的な「儀式」を取り入れる 仕事の始まりと終わりに、簡単な自分だけの「儀式」を取り入れてみましょう。例えば、「PCを開く前にコーヒーを一杯飲む」「仕事が終わったら、今日のタスクリストを振り返り、明日やることを簡単にメモする」など、短時間でできることなら続けやすいかもしれません。これにより、脳が「今から仕事モード」「今、仕事は終わり」と認識しやすくなります。
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意図的に「何もしない時間」を設ける 忙しい合間にも、意図的に「何もしない時間」を数分でも設けてみてください。窓の外を眺める、好きな音楽を短い時間だけ聴く、目を閉じて深呼吸を数回繰り返すなど、仕事とも家事とも育児とも関係ない、完全に自分だけのための時間です。たとえ短時間でも、意識的に脳を休ませることが、心身の疲労軽減に繋がります。
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「〇時以降は仕事メールを見ない」と決める 緊急対応が必要な場合を除き、「何時以降は仕事関連の連絡ツールを見ない」といったルールを自分の中で設けてみましょう。終業後も常に仕事の通知が気になる状態では、心が休まりません。通知をオフにするなど、物理的に仕事から距離を置く工夫も有効です。
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完璧なオンオフを目指さない 最も大切なのは、完璧なオンオフ切り替えを目指さないことです。子供の呼びかけで仕事が中断することもあるでしょうし、終業後に急な連絡が入ることもあるかもしれません。そんな時も、「また失敗した」と落ち込むのではなく、「今日は切り替えが難しかったな」と事実を受け止め、次回のヒントにするくらいの気持ちでいることが、自分を追い詰めないために大切です。
小さな一歩が心のゆとりに
これらのヒントは、どれも劇的に状況を変えるものではないかもしれません。しかし、日々の生活の中に意識的に「心をオフにする時間」を少しでも取り入れることで、疲労の蓄積を防ぎ、心に小さなゆとりを生み出すことに繋がります。
忙しい毎日の中で、自分自身の心と体を労わることは、子育てを続ける上でも、仕事と向き合う上でも、そして何より自分自身が心地よく過ごすためにも、非常に大切です。完璧を目指さず、できることから、少しずつ取り入れてみてください。
もし、一人で頑張ることに疲れたり、誰かに話を聞いてほしくなったりした時は、いつでもこの広場に立ち寄ってみてください。同じような悩みを抱える仲間がいることは、きっとあなたの心の支えになるはずです。