パートナーと分担したい「名もなき家事」 見える化と負担を減らすヒント
「気づけば全部私が」になっていると感じたら
子育てと仕事、そして毎日の家事。多忙な日々の中、やってもやっても終わらないタスクに追われていると感じていらっしゃる方も多いかもしれません。特にリモートワーク中心の場合、仕事と家庭の境界があいまいになりがちで、気づけば常に何かに対応している、という状況もあるのではないでしょうか。
「これは誰がやるの?」と明確に決まっていないけれど、暮らしに必要な細々としたタスク、いわゆる「名もなき家事」。例えば、トイレットペーパーや洗剤の補充、子どもの持ち物の名前付けやチェック、自治体からの配布物の確認、献立を考えること、食品のストック管理など、挙げればきりがありません。
これらの「名もなき家事」は、一つ一つは小さなことかもしれません。しかし、積み重なると実は大きな負担となり、気づけば自分ばかりがやっている、と感じてパートナーへの不満に繋がったり、自身の疲労困憊の原因になったりすることも少なくありません。
もし今、「名もなき家事」の負担を感じているなら、その状況を少しでも楽にするためのヒントをいくつかご紹介したいと思います。一人で抱え込まず、パートナーと協力しながら負担を減らしていくことを目指してみましょう。
「名もなき家事」を見える化してみる
まずは、普段自分がどんな「名もなき家事」を行っているのか、一度立ち止まって書き出してみることから始めてみてはいかがでしょうか。手帳の片隅やスマートフォンのメモ機能など、方法は問いません。「あ、これもそうかな」と思うものを気軽に書き出してみてください。
例: * 洗剤の詰め替え * トイレットペーパーの交換・補充 * ゴミ袋のセット * 郵便物の開封・仕分け * 子どもの靴下や下着の名前付け * 保育園・学校からの配布物チェック・記入 * 週末の買い出しリストアップ * ティッシュペーパーの補充 * リモコンの電池交換 * 切らした日用品の買い足しリスト作成
これらのリストをパートナーと共有してみる時間を持つことも有効です。お互いがどんな細かなタスクを認識し、実行しているのかを知るきっかけになります。「これはあなたがいつもやってくれていたんだね、ありがとう」といった感謝の言葉が自然と生まれるかもしれません。リストを共有することで、どちらか一方の「仕事」ではなく、家庭全体に必要なタスクであるという共通認識を持つことが大切です。
「共有」の意識を持つ、完璧を目指さない
タスクをリストアップしたからといって、「さあ、これを均等に分担しよう」と意気込む必要はありません。完璧な役割分担を目指すと、かえってプレッシャーになることもあります。
大切なのは、どちらか一方だけが「気づいてやる」のではなく、お互いが「家庭のタスク」として共有している、という意識を持つことです。そして、「気づいた方がやる」というゆるやかなルールを設けてみることも一案です。もちろん、気づきやすさや得意不得意はありますが、お互いが少しずつ意識し合うことで、一方に負担が集中する状況を和らげることができます。
また、「名もなき家事」の中には、実は「やらない」という選択肢が可能なものもあるかもしれません。本当にそのタスクは毎日(毎週)必要か、少し頻度を減らしても問題ないかなど、柔軟に見直してみましょう。
タスクそのものを減らす工夫
「名もなき家事」の負担を減らすためには、タスクそのものを発生させない、あるいは減らす工夫も有効です。
- 物の定位置を決める: 郵便物は特定の場所に置く、子どもの持ち物は自分で片付けられるよう場所を決めるなど、迷いをなくすことで「誰がやるの?」という状況を減らせます。
- ルーティンを見直す: 買い出しは週に一度と決める、献立は大まかに決めておくなど、自動化できる部分はルーティンに組み込みます。
- ツールやサービスを活用: 乾燥機付き洗濯機で干す・畳む手間を減らす、食材宅配サービスを利用する、便利な掃除グッズを活用するなど、頼れるものには頼ってみましょう。
- 子どもにお願いする: 年齢に応じ、自分のことは自分でやる、簡単な家事を手伝ってもらうなど、家族みんなで分担する意識を育てます。
小さな工夫でも、毎日積み重なる「名もなき家事」の総量を減らすことにつながります。
お互いの「気づき」と「ありがとう」を大切に
「名もなき家事」は、やっても「えらいね」と褒められることは少ないかもしれません。しかし、それは間違いなく日々の暮らしを支えている大切な作業です。
お互いが相手の「名もなき家事」に気づき、感謝の言葉を伝え合うことは、お互いのモチベーションを保ち、気持ちよく協力し合うために非常に効果的です。大げさでなくても、「トイレットペーパー変えてくれてありがとう」「あれ、補充しといてくれたんだね、助かるよ」といった一言があるだけで、一人で頑張っているのではない、と感じることができます。
一人で抱え込まずに
多忙な日々の中で、つい「私がやらなきゃ」と抱え込んでしまいがちな「名もなき家事」。それは決して特別なことではなく、日々の暮らしの中で誰もが直面しうる課題です。
全てを完璧にこなす必要はありません。パートナーと協力し、タスクそのものを減らす工夫を取り入れながら、少しずつ負担を軽くしていくプロセスを大切にしてください。完璧な分担を目指さなくても大丈夫です。お互いの負担を少しでも減らすことが、自分自身を大切にすること、そして心にゆとりを取り戻すことにつながります。
もし今、名もなき家事に疲れていると感じているなら、一人で抱え込まず、このコミュニティで悩みを共有したり、他の人のヒントを参考にしたりすることも、きっと心の負担を軽くすることに繋がるはずです。