多忙な毎日でも自分を責めないために 手抜きへの罪悪感を和らげる考え方
多忙な毎日、手抜きに罪悪感を感じていませんか
子育てと仕事、家事に追われる日々は、あっという間に過ぎていきます。特にリモートワーク中心で複数の子供を育てている親御さんは、一日中気が休まる時間がないと感じているかもしれません。
時間がない中で、どうしても家事を後回しにしたり、食事を用意する代わりに総菜に頼ったり、子供との時間をゆっくり取れなかったりすることも出てくるでしょう。そうした時に、「もっとちゃんとやらなきゃいけないのに」「他の親御さんはもっときちんとやっているのでは」と、ご自身を責めてしまうことはありませんか。心の中で「手抜きだ」と感じてしまうたびに、申し訳なさや自己嫌悪のような気持ちが湧き上がってくるかもしれません。
毎日頑張っているのに、どうしてこんなに疲れていて、しかも自分を責めてしまうのだろう。そんな風に感じているのは、決してあなた一人ではありません。多くの親御さんが、同じような悩みを抱えています。
なぜ「手抜き」に罪悪感を感じてしまうのでしょう
私たちの社会には、「親たるもの、こうあるべき」という目に見えない理想像が存在するのかもしれません。家事は常に完璧であるべき、手作りの温かい食事を毎日用意すべき、子供とはいつも笑顔で向き合うべき...。こうした理想と、多忙な現実とのギャップが、私たちに罪悪感をもたらす一因と考えられます。
また、SNSなどで見る他の家庭の様子と比べてしまい、「自分はできていない」と感じてしまうこともあるかもしれません。しかし、そこで見えているのはその家庭の全てではありません。見えないところで、きっとそれぞれの方々が様々な工夫をしたり、悩んだりしているはずです。
完璧な親を目指すこと、常に万全な状態であることは、現実的には不可能です。それなのに、「できないこと」に目を向けすぎてしまうと、自分を責める気持ちが大きくなってしまいます。
罪悪感を和らげ、心を軽くするための考え方
罪悪感を完全に消し去ることは難しいかもしれませんが、その重荷を少しでも軽くするための考え方をご紹介します。
「手抜き」を「賢い選択」と捉え直してみる
時間や体力には限りがあります。その限られた中で、何に優先順位をつけるかは、日々の状況によって変わって当然です。今日は子供と笑顔で過ごすことを優先するために、家事は最低限にする。明日は仕事で疲弊しないために、食事は簡単に済ませる。これは「手抜き」ではなく、その時に最も大切にしたいこと、あるいはエネルギーを温存するための「賢い選択」と考えることができます。
完璧ではなく、「ご機嫌な親」を目指す
全てを完璧にこなそうとすると、心身ともに疲弊してしまいます。疲れてイライラしている親御さんと、少し手抜きでも笑顔でいる親御さん。子供にとって、どちらが良い影響を与えるでしょうか。完璧な家事よりも、完璧な育児よりも、あなたが少しでも心穏やかに、ご機嫌でいられることの方が、家族にとっては大切な場合もあります。
自分への労いと許しを忘れない
毎日、あなたは十分に頑張っています。寝不足でも、疲れていても、目の前のことに対応しようとしています。その頑張りを、まずはご自身で認めてあげてください。「今日も一日よく頑張ったね」と、心の中で自分を労いましょう。そして、できなかったこと、手を抜けなかったことにではなく、できたこと、頑張ったことに目を向けてください。時には完璧でいられなかった自分を許すことも大切です。
他人との比較から距離を置く
他の家庭や他の親御さんと自分を比較しても、良いことはあまりありません。それぞれの家庭には、それぞれの状況、事情、価値観があります。あなたにはあなたの、そしてあなたの家族にはあなたの家族にとって最適なペースがあります。他人のものさしで自分を測ることから距離を置いてみましょう。
少しでも心が軽くなるヒント
考え方を変えることはすぐにできなくても、日々の小さな行動が心の余裕に繋がることもあります。
- 最低限ラインを決める: 「これだけはやる」という、本当に最低限のリストを作ってみましょう。それ以外は、できなくてもOKと自分に許可を出します。例えば、「洗濯物だけは畳む」「夕食は何かお腹に入れられればOK」など、ハードルを思いっきり下げてみてください。
- 「助けて」を言ってみる: パートナーや家族、友人、行政のサービスなど、頼れるものに頼ってみましょう。助けを求めることは、決して恥ずかしいことでも、負けでもありません。自分一人で抱え込まずに済むだけで、心はぐっと軽くなります。
- 自分だけの「好き」や「ホッとする」を見つける: たとえ数分でも良いので、自分が心から「好きだな」「ホッとするな」と感じる時間や瞬間を作ってみてください。好きな香りのハンドクリームを塗る、温かい飲み物をゆっくり飲む、好きな音楽を聴くなど、どんなに短い時間でも構いません。
頑張りすぎなくて大丈夫
子育ては長い道のりです。完璧を目指して走り続けると、どこかで息切れしてしまいます。時には立ち止まり、肩の力を抜くことも必要です。「手抜き」と感じることは、あなたが一生懸命頑張っている証拠でもあります。どうかご自身を責めすぎないでください。
あなたは一人ではありません。この「ホッと一息ペアレント広場」は、同じように悩み、頑張っている親御さんが集まる場所です。ここで、あなたの気持ちを分かち合ったり、他の親御さんの声を聞いたりすることで、少しでも心が軽くなることがあるかもしれません。
頑張りすぎなくて大丈夫です。今日のあなたが、少しでも穏やかな気持ちで過ごせることを願っています。