「休んでる場合じゃない」と感じる時 罪悪感なく休息をとるヒント
疲れを感じているのに休むことに罪悪感はありませんか
毎日時間に追われ、やるべきことに囲まれている子育て中の親御さんは、心身ともに疲れを感じていることも多いかもしれません。しかし、いざ少し休もうとすると、「まだあれが終わっていない」「休んでいる場合じゃない」と、罪悪感に苛まれることはありませんでしょうか。
頑張らなければという気持ちや、周りの状況を考えると、自分が休むことは許されないことのように感じてしまうかもしれません。この罪悪感は、多くの親御さんが経験することであり、決してあなただけが感じている特別な感情ではありません。なぜ私たちは休息をとることに罪悪感を感じてしまうのか、そして、その感情を少しでも和らげ、自分自身を労わるためにはどうすれば良いのか、考えてみたいと思います。
なぜ「休む=悪いこと」と感じてしまうのか
休息をとることに罪悪感を感じやすい背景には、いくつかの要因が考えられます。一つは、「親は常に完璧であるべき」「家事育児は全てこなすべき」といった、内面化された高い理想や期待がある場合です。また、他の親御さんと比べて「自分はもっと頑張らなければ」と感じたり、休むことに対して周囲から否定的に見られるのではないかと不安に思ったりすることもあるかもしれません。
休むことを「サボり」や「怠惰」と捉えてしまう考え方も、罪悪感を生む原因となります。しかし、実際には休息は、私たちの体と心を回復させるために不可欠な時間です。十分な休息なくしては、心身の健康を保つことは難しく、結果として育児や家事、仕事の質にも影響が出てくる可能性があります。休息は、むしろ未来のパフォーマンスへの「投資」であると捉え直すことが大切です。
罪悪感を和らげ休息をとるためのヒント
休息への罪悪感を完全に消し去ることは難しいかもしれませんが、その感情を少しでも和らげ、自分を労わるための具体的なヒントをいくつかご紹介します。
1. ごく短い「意図的な休息」を取り入れる
長時間まとめて休むことが難しくても、1回あたり5分でも10分でも構いません。意識的に休息の時間をスケジュールに組み込んでみてください。例えば、子供のお昼寝中に「この10分間は何もせずソファに座る」、家事の合間に「コーヒーを淹れて窓の外を眺める5分」など。たとえ短時間でも、「休む」という行為を自分に許可することが第一歩です。この時、「これをしたら次はあれをやらなきゃ」と考えすぎず、今この瞬間に焦点を当てる練習をしてみましょう。
2. 休息を「義務」や「投資」と捉え直す
休息は「サボり」ではなく、あなたが健康で機嫌良く過ごすために必要な「メンテナンス」であり、「義務」であると認識を変えてみましょう。車にガソリンが必要なように、私たち人間にも休息が必要です。また、休息は将来的なパフォーマンスや心の安定のための「投資」です。今日少し休むことで、明日もっと効率的に動けたり、子供やパートナーに穏やかに接せられたりすると考えれば、罪悪感は和らぐかもしれません。
3. 「完璧にやらないこと」を自分に許可する
罪悪感の裏には、「全てを完璧にこなさなければ」という思いがあるかもしれません。しかし、子育て中に全てのことを完璧にこなすのは現実的ではありません。タスクに優先順位をつけ、今日やらなくても良いこと、あるいは「やらなくても死なないこと」は潔く後回しにしたり、やらない選択をしたりすることも大切です。休息をとるために、あえて「やらないことリスト」を作るのも有効です。
4. 「罪悪感を感じている自分」を受け止める
休息への罪悪感が湧いてきたら、その感情を否定するのではなく、「あぁ、私は今、休息することに罪悪感を感じているんだな」と、客観的に受け止めてみてください。そして、「それだけ私は普段から頑張っているんだな」と、自分自身の努力を認めてあげましょう。罪悪感は、あなたが真面目に子育てや日々のタスクに向き合っている証拠でもあります。
5. 誰かに頼ることを検討する
休息をとる時間を作るために、パートナーや家族、利用できる外部サービス(家事代行、一時保育など)に頼ることをためらわないでください。一人で全てを抱え込む必要はありません。誰かに頼ることは、あなたの弱さではなく、自分自身と家族を守るための賢明な選択です。
自分を労わる時間はあなたと家族のために必要です
休息をとることに罪悪感を感じやすいあなたへ。あなたが休息を必要としているのは、それだけ毎日全力で頑張っているからです。自分を労わる時間は、決して自分勝手な時間ではなく、あなたが心身ともに健やかでいるために、そして結果として家族が穏やかに過ごすためにも必要な時間なのです。
「ホッと一息ペアレント広場」は、同じように頑張る親御さんたちが、悩みを共有し、支え合える場所です。一人で抱え込まず、あなたの気持ちをここで共有してくださることも歓迎いたします。どうぞ、ご自身にも優しく、必要だと感じる休息をためらわずに取ってください。