つい後回しにしてしまう自分の体調 多忙な親の小さなセルフケア習慣
自分の体調、気づかないふりをしていませんか
子育てや仕事に追われる毎日の中、ふと自分の体の声に耳を澄ませてみると、小さな不調を感じることはありませんでしょうか。肩の凝り、目の疲れ、なんとなく感じるだるさ。それでも、「まだ大丈夫」「休んでいる時間はない」と、つい自分の不調を後回しにしてしまいがちです。
特に、リモートワーク中心で家の中にいる時間が長いと、仕事とプライベートの境界があいまいになり、心も体も休まる暇がないと感じる方もいらっしゃるかもしれません。自分の体調よりも、子供のこと、家事のこと、仕事の締め切りが優先される日々。それが当たり前になりすぎて、自分の不調に気づきにくくなっていることもあるかもしれません。
なぜ、私たちは自分の体調を後回しにしてしまうのでしょう
多忙な親が自分の体調を後回しにしてしまうのには、いくつかの理由が考えられます。
- 時間的な余裕のなさ 一日があっという間に過ぎてしまい、自分のために時間を使う隙間を見つけられない。
- 責任感の強さ 自分が倒れたら、子供の世話や家事が滞ってしまうというプレッシャーから、無理をしてしまう。
- 不調に対する慣れ 常に少し疲れている状態が続くと、それが日常になってしまい、本来の体調とのギャップに気づきにくくなる。
- 「これくらい大したことない」という思い込み 周りの人も頑張っているから、自分だけ弱音を吐いてはいけない、と感じてしまう。
こうした理由から、私たちは自分の心や体の声に気づきながらも、あるいは気づかないふりをして、日々を乗り越えようとしてしまいます。
自分の体調に「気づく」ための小さなヒント
まずは、自分の体調に優しく気づく習慣から始めてみるのはいかがでしょうか。特別な時間や準備は必要ありません。
- 朝起きた時、体のどこかに張りや痛みがないか、一瞬だけ意識してみる 「今日は首が凝っているな」「脚がだるいな」といった小さな感覚を拾ってみます。
- 寝る前、布団の中で体の各部分に意識を向けてみる 手足の冷え、肩の重さ、お腹の調子など、その日の体の状態を客観的に観察します。
- 休憩時間や家事の合間に、深呼吸をしながら自分の体の感覚を感じてみる ほんの一呼吸でも、意識を外側から内側へ向けてみます。
こうした「気づく」習慣は、体の不調が大きくなる前にSOSを受け取るための大切なセンサーになります。
不調に「対処する」ための小さなヒント
自分の不調に気づいたら、次にできるのは、無理のない範囲で「対処」することです。完璧な休息や治療を目指す必要はありません。今の状況でできる、ごく小さなセルフケアを取り入れてみましょう。
- 座れる時は座る、立てる時は立つ、を意識する 普段、無意識に立ちっぱなしで作業している時間を少し減らすだけでも、体の負担は軽減されます。
- 温かい飲み物をゆっくり一口だけ飲む 白湯やお茶など、体を内側から温めることは、リラックス効果にもつながります。
- 短いストレッチや軽い運動を取り入れる 椅子に座ったまま首を回したり、肩をすくめて力を抜いたりするだけでも効果があります。子供と一緒に寝る前に簡単なストレッチをするのも良いでしょう。
- 市販薬や栄養ドリンクなどを賢く利用する 症状が軽いうちに、ドラッグストアなどで手軽に入手できるもので対処することも選択肢の一つです。
- 予約なしで相談できる窓口やオンライン診療を調べておく いざという時に慌てないよう、地域の相談窓口やオンラインで医師に相談できるサービスなどを事前に知っておくと安心です。
「これくらいで休めない」ではなく、「これくらいでも少し楽になることをやってみよう」と、視点を変えてみてください。小さなケアの積み重ねが、心と体の負担を和らげてくれます。
自分の不調を「許す」という考え方
多忙な日々の中で自分の体調が優れない時、「自分がしっかりしていないからだ」と自分を責めてしまうことがあるかもしれません。しかし、心や体が疲れているのは、あなたがそれだけ頑張っている証拠です。
自分の不調を認め、許すことは、決して甘えではありません。それは、長く子育てや仕事を続けていくために必要な、自分自身への労りです。自分の心と体が満たされている方が、家族にも優しく接することができ、仕事にも落ち着いて向き合えるようになります。自分を大切にすることは、結局は周りの大切な人たちを大切にすることにつながるのです。
頑張りすぎなくて大丈夫
私たちは皆、完璧な親でも、スーパーマンでもありません。時には体調が優れない日もあって当然です。そんな自分を責めることなく、優しく労わってあげてください。
今回ご紹介したセルフケアは、ほんの一例です。ご自身の体調や状況に合わせて、できることから、ごく小さな一歩から始めてみてください。そして、「これならできそう」と思えることを見つけたら、ぜひ実践してみてください。
もし、一人で抱え込んでしまうのがつらい時は、この広場に立ち寄ってみてください。同じように頑張る仲間がいることを知るだけで、心が少し軽くなることがあるかもしれません。